銀河鉄道999ラジオドラマ・第10話
放送日:97/12/26
第10話,「クイーン・エメラルダス(後編)」
風の音とともに
(ナレーション )
天駆ける魔女海賊エメラルダスに拉致された銀河超特急999号は
惑星ジュエルに強制着陸させられた.
そして海賊船に連れ込まれた鉄郎とメーテルを待っていた者,
それは全身黒いマントで覆い隠した顔の見えない不可思議な女達だった.
(エメラルダス代理)ようこそお二人さん.ここは海賊船クイーン・エメラルダス号.自分の命のことはもう諦めなさい.
(メーテル)私はメーテル.こちらは私の友達の星野鉄郎.
(エメラルダス代理)ふふん(鼻で笑う)
(鉄郎)僕は機械の体をくれる星へ行くんだ.ただそれだけなのに,何故,邪魔をする〜.
(エメラルダス代理)そんなにお前は機械の体になりたいのか〜,. さあその鞭を取りなさい.
ヒュー(鞭の音)
(鉄郎)う,いて!何するんだ.
(エメラルダス代理)お前じゃない自惚れるな.大海賊エメラルダスにお前なんかに歯が立つとおもうのか.メーテル.あなただよ.海賊のルールさ.私と決闘するのよ.
(鉄郎)なんだって,メーテル,挑発に乗っちゃダメだ.
(エメラルダス代理)勝てば列車に返してやる.あなたが負ければあなたに聞きたいことがある.あなたの本当の目的を.列車に乗っている本当の目的をね.
(メーテル)わかったわ
(鉄郎)メーテル
(メーテル)いいのよ鉄郎.でも鉄郎は関係ないわ.私が負けても鉄郎を列車に返すと約束しなさい.
(エメラルダス代理)関係はあるはずよ.言ってあげましょうか.メーテル.あなたは鉄郎の
(メーテル)始めましょ.
(鉄郎)メーテル.一体?
(メーテル)鉄郎は黙って.さあ
(エメラルダス代理)勝負は一撃で
ビシュー.バシ
(メーテル)あ.
(鉄郎)メーテル,メーテル,メーテル
(エメラルダス代理)ふ,あっけない者ね連れてお行き,手術室へ
(手下)はあ.
(鉄郎)やめろ〜.メーテルをどうするつもりだ.放せ.メーテル.
(エメラルダス代理)あなたには話があるわ.あちらの部屋へ.
(鉄郎)うるさい.メーテル.
船長室にて
(エメラルダス代理)ワインはいかが?白にする?それとも赤?
(鉄郎)そんなものいるもんか.メーテルを返せ
(エメラルダス代理)メーテルは死んだわ.死んだ者のことをいろいろ考えても始まらないわよ.
(鉄郎)あれぐらいでメーテルが死ぬもんか.
(エメラルダス代理)だと.いいけど.それよりひとつ聞きたいことがある.機械の体をもらえる星へいくと言ってたけど.何故,生身の体を捨ててまで,機械の体が欲しいの?
(鉄郎)永遠に生きる「いのち」が欲しいからだ.僕は永遠に生きる体になって地球へ帰るんだ.
(エメラルダス代理)そう,おかしいわね.あなたとは反対に機械の体から生身の生きた体になりたいと思ってるものが大勢いるというのに.
(鉄郎)まさか,ぼくの体を
(エメラルダス代理)ふふふふ.安心しなさい.この船の誰もあなたの薄汚い体に用はない.私がほしいのはメーテルの体さ.
(鉄郎)へ〜
(エメラルダス代理)今,メーテルはこの船の奥深く,手足を拘束され手術台の上にいる後は,この私のこころがメーテルの体に入るだけ.
(鉄郎)何だって.そんなことをさせるもんか.
(エメラルダス代理)ぼうや,このクイーン・エメラルダスの虜となったいま,あなたは余りに無力この船長室から出ることも出来ないただの子どもさ.では後ほど.メーテルの体を頂いてからお会いしましょう.
足音
(鉄郎)待て,開けろ.ここから出せ(ドアをドンドン叩きながら).なんとかしなきゃ.なんとか.あ,なんだ.これはドクロマークの扉.はあ.
ガチャ(ドアの開く音)ギィ〜
(鉄郎)はあ,開いた.ベットがある.誰か寝てるの?
(エメラルダス)女の部屋に入ったのなら帽子をとって,ドアを閉めなさい.少年よ.
(鉄郎)え?
バタン.(ドアの閉まる音)
(鉄郎)あなたは?
(エメラルダス)キャプテンエメラルダス.この船の主よ.
(鉄郎)へ〜?
(エメラルダス)何をそんなに驚いているの?私が病気でこうしているから?私はあなたに何もした覚えはないわよ.
(鉄郎)じゃ,あの黒い覆面のエメラルダスは?
(エメラルダス)あれは,私の代理アンドロイド.体のすべての部品が人工で汲み上げられた機械の塊よ.
(鉄郎)それで,メーテルの体を欲しかったのか.
(エメラルダス)メーテル,メーテルがこの船に来ているのか
(鉄郎)早くなんとかしてくれ.メーテルが.
(エメラルダス)わかった.手術室への通路を開けるわ.メーテルの拘束もここから解きます.いそぎなさい.
(鉄郎)うん.
足音...(去っていく鉄郎)
(エメラルダス)そうか,メーテルが.
足音...(近づく鉄郎)
(鉄郎)メーテル
(メーテル)私は大丈夫よ.鉄郎,さがってて.
シュッ,シュッ,キンキン(けんとけんで闘ってる音)
(エメラルダス代理)私は不死身さ.死にはしない.え〜い.メーテル,初めの手あわせの時,わざと負けてみせた.
(メーテル)本当のエメラルダスなら.私を殺したりはしないものね.え〜い
(マントが破れる音)
(鉄郎)マントの下はなんと機械の体だ.
(エメラルダス代理)やめろ〜,見るな〜.
(メーテル)生身の体はそう簡単に手に入らなくてよ.さようなら.代理の身で,船をのっとった罪をつぐないなさい.それが海賊での掟のはず.
ビュ〜ン,ボカ〜ン.
(エメラルダス代理)うわ〜.
(エメラルダス)メーテル,鉄郎.船を砂漠に降ろします.ゴンドラが接地したら.船からおりなさい.
(メーテル)エメラルダス
(エメラルダス)さようならメーテル.また宇宙のどこかでお会いしましょう.それではお元気で
びゅ〜(エメラルダス号が去っていった.)
(車掌)鉄郎さん,メーテルさん良くぞ御無事で.
(メーテル)心配かけて,ごめんなさい.もう,大丈夫よ.
(車掌)はあ,よかった.いや〜,一時はどうなることかと.よかった.よかった
(鉄郎)メーテル
(メーテル)な〜に
(鉄郎)エメラルダスは知り合いなのになんで顔を見せなかったの?そのまま,いっちゃったけど.
(メーテル)ライバルはライバルに病にやつれた姿をみせたくはないものよ.代理のアンドロイドなんかにクイーンエメラルダス号を自由にされたことに恥じていたのかもしれないわ.
(鉄郎)恥じていた?
(メーテル)え,でも,たとえ病に侵されて余命が幾ばくもないとしても,エメラルダスの方がわたしより,幸せなのかもしれない.
(鉄郎)え?
(メーテル)エメラルダスは宇宙という自由の海を望むままに自由に旅するの.私は定められた銀河鉄道のレールの上だけをひたすら旅する.私の運命のレールの上をね.
(鉄郎)メーテル,あの機械の塊が言っていた.言葉だけど...
(メーテル)鉄郎,そして,私は当分死ぬことのできない女.それ以上は今は聞かないで.
(ナレーション )
美しい者も,才能に恵まれた者も,
いつかは老いさらばえて死んで行く.
これが宇宙に生まれた,命あるものの定めだ.
女海賊エメラルダスがどこの空間を旅しているのか,誰も知らない.
だが,たとえ,逃れられないと判っていても.
その運命に逆らって精一杯闘っているエメラルダスのことを忘れはしない.
(ナビゲーター)
鉄郎とメーテルを危機に陥れたのは,いわば,偽物のエメラルダスでしたが.
冬の星座にはこんな名前の星もあるんです.偽十字.
南十字星によく似て居るんだけど.本物よりちょっと十字架がゆがんでるんです.
(ファウストの感想:メーテルはとエメラルダスはどんなライバルなのか?)
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