銀河鉄道999ラジオドラマ・第12話
放送日:98/01/16
第12話,「時間城の海賊(中編)」
走ってメーテルを探している鉄郎
(鉄郎)どこいったんだ.メーテル.メーテル.
(ナレーション )
少年は荒くれ者のたむろする地・トレーダー分岐点の雑踏をひたすら走る.
欠けがいのない大切な人を守るために.
だが,走れば走るほど彼は得体の知れない迷宮へ迷い込んでいくようだった.
力のみが全てを支配する過酷な迷宮へと...
(鉄郎)あ,あの人.メーテルか?
駆け寄る鉄郎
(鉄郎)メーテル
振り返る女性
(レリューズ)どうしたの?ぼうや
(鉄郎)えっ,あっ,ごめんなさい.人違いで.
(鉄郎)ここ.なんだ〜.飲み屋の入り口か.メーテルがこんな所にいる分けないか.
(客1)レリューズの唄を聞いて行け・
(鉄郎)レリューズ?あぁ,今の女の人.いや,僕は人を捜してて...
(客1)ああ,いいから,入れ,いい唄だぜ.
酒場にて
(客1)レリューズの唄が始まるぞ.
♪♪レリューズの唄♪♪
何が欲しいのと言うの 私それとも愛
翼いやす鳥たちも 私を欲しいと騒がしい
壊れたオモチャ箱を 子どもみたいに
抱え込んで 涙ぐんで それでどうなるの
泣いている酒場の客たち
(鉄郎)マスター,みんなどうして泣いているんだろう?
(マスター)ん?以前ここに来たときはなあ,みんなお前みたいに若くて元気だったからさあ.それを思い出すと,「泣くな」と言われたって泣けて来るんじゃよ.若いの,何を飲むね?
(鉄郎)じゃ,ミルク.
(マスター)ん〜ん.ミルク一丁ね.なあ,若いの,昔のことを言うがな,昔はいいところだった.自由で夢があってな.
(鉄郎)今,自由じゃないの?
(マスター)ん,ガンフロンティア山の向こうに時間城が居座ってからな.
(鉄郎)時間城?
(客2)そうだ,時間城.その名を口にするだけでも胸くそ悪いぜ.機械人間の城だ.
(客1)時間城の海賊がヘビーメルダーを支配するようになってからここに自由はねぇ.
近寄るレリューズ
(レリューズ)夢も無くなったわ.私はレリューズ.あなたは?
(鉄郎)星野鉄郎.
(レリューズ)そう,鉄郎さん.あなた知ってるの?
(鉄郎)何を?
(レリューズ)あなたのお連れさんが時間城へ行ったのを.
(鉄郎)メーテルが時間城へ?何をしに?レリューズさん何でそんなことを知ってんだ.
(レリューズ)彼女は時間城の海賊と命を駆けた決闘をしに行ったのよ.
(鉄郎)なんだって?すぐに行かなくっちゃ.レリューズ,教えてくれ.時間城はどこに在るんだ?
(客1)小僧,バカも休み休み言え.銃の撃ち方もロクに知らんのだろうが.
(鉄郎)僕は行く.どうしても行くんだ.
(客2)命を粗末にするんじゃねぇって.時間城へは俺達だって寄りつけねぇんだ.行けば,近寄っただけでイチコロなんだ.
(鉄郎)行く!僕は行く!今,行かなかったら一生後悔する.
(謎の人)行かせてやれ.
(客1)何だと
(鉄郎)あ,あなたはさっき列車の中で
(謎の人)男にはなあ,負けると判っていても行かなければならない時もある.死ぬと判っていても闘わなければならない時がある.お前たちは,その時に行くことも闘うこともできなかった.それで,ここへ来て唄を聞いて泣いているんだろう.だったらその少年を行かせてやれ.
(鉄郎)ありがとう,僕,行って来るよ.
(マスター)よ〜し,みんなで励まして行かせてやろう.裏に自動自転車がある使うといい.行き先をセットしといてやるよ.
(鉄郎)マスター.ありがとう.
(マスター)気を付けろよ.時間城の海賊は,血も涙もない機械化人間じゃ.その名をキャプテン・ハーロック.
(鉄郎)ん(つばを呑み込む).何だって?
(マスター)いや〜,本人かどうかは定かではない.その正体を見た者はおらんのでな.が,その機械化人間はそう名乗ってる.
(鉄郎)まさか,あのハーロックが.
(レリューズ)あなたのお連れさんはそのハーロックと闘いに行ったわ.鉄郎さん.あなた.勝てるの?
(鉄郎)判らない.でも,今,闘わなくっちゃならないんだ.メーテルを見捨てる訳にはいかないから.例え,ハーロックでも僕は闘うぞ.
自動自転車で砂漠を走る鉄郎
(鉄郎)なんだってメーテルはハーロックなんかと決闘を.ハーロックは悪い人では無いはずだが.くそ〜,それにしてもひどい砂嵐だな.
ビシューン(銃声).ボカン!
(鉄郎)うわあ,あいててて.な,なんだ.わっ,機械化人間たち.か,囲まれた.
(レリューズ)鉄郎さん,銃を捨てなさい.
(鉄郎)レリューズさん,あんたは...
(レリューズ)そう,私はあなたの敵.
(鉄郎)どこへ連れていく?
(レリューズ)時間城,あそこは私の家であり,故郷でもあるの.そして,時間城はメーテルとあなたの墓場.
(鉄郎)く.だましたな.
(レリューズ)あれが,時間城よ.
そびえ建つ時間城
(鉄郎)空に浮かぶ...あれはまるで要塞.
時間城の中にて
暗闇,足音.
(自称ハーロック)メーテル,時間城へ良く来たな.君の連れがもうすぐここへ来る.君は知っているのか?
(メーテル)ええ,鉄郎なら来るでしょうね.姿を現しなさい.
(自称ハーロック)俺ならここに居る.暗闇に紛れているだけだ.どうするつもりだ.
(メーテル)私はあなたと闘うためにここへ来ました.
(自称ハーロック)闘って,どうするつもりだ.
(メーテル)あなたは私の黒い服の意味をご存じですね.
(自称ハーロック)知っているとも.くだらんことだ.
(遠くから足音)
(メーテル)そうでしょうね.あなたには.
(レリューズ)ハーロック,鉄郎を連れて来たわ.
(自称ハーロック)早かったなあ.
(鉄郎)メーテル.
(メーテル)鉄郎,そこに居てちょうだい.
(鉄郎)逃げるんだメーテル.ハーロック,過去に何があったか知らないけど,メーテルには手を出すな.手を出したら僕がお前を殺す.
(自称ハーロック)俺に手を出せば,この部下たちがお前を殺す.そこで,黙って見て居ろ.
(鉄郎)く.(グッと堪える)
(メーテル)私はここで,あなたの機械の体を破壊する.あなたの存在を過去からも,未来からも,そして,この世からも抹殺します.--#
(自称ハーロック)俺を誰だと思っている.時間を自由に操る海賊だぞ.そんなことは不可能だ.ふふふ,見くびられた者だな.ゆくぞ,メーテル.
サーベルで闘う2人
(鉄郎)メーテル
(メーテル)手助けはいらないわ.鉄郎,見ていなさい.く.
(自称ハーロック)小僧,お前は時間という名の地獄へ送ってやる.レリューズやれ.
(レリューズ)はい.
スイッチを入れるレリューズ
(鉄郎)うわあ〜
(メーテル)あ,あ,鉄郎.
(自称ハーロック)あの床の下はあらゆる時間の交錯する異世界だ.生身の体の人間がほおり込まれたら長くは持たん.剣を引けメーテル.さもないと鉄郎の命は無いぞ.
(メーテル)はあ〜,う.
泣くメーテル
(ナレーション )
時間城の海賊はそのとき,暗闇の中で満面の笑みを讃えたという.
そしてその瞬間から鉄郎とメーテルの苦渋に満ちた命がけの闘いが始まった.
過去という名の忌まわしい亡霊との壮絶な闘いが...
(ファウストの感想:謎の人とは誰か?自称ハーロックは本当のハーロックか?鉄郎の運命はいかに!)
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